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〜〜〜 NBNから報告です 〜〜〜 【盲学校見学会】
NBN 05年度第1回研修会に参加して 佐野けい子
 去る11月25日(金)NBN(名古屋点訳ネットワーク)は今年度第1回研修会『愛知県立名古屋盲学校の見学会』を開催致しました。参加者は日ごろ点訳に従事している54名(11団体と個人参加含)の方が熱心に研修を受けました。
 まず初めに、棚橋教頭先生より学校の概要をお話していただきました。幼児部から小・中・高・高等部専攻科があり、点字の学習は小1から始め、専門教育ではあん摩・マッサージ・指圧師などの国家資格を目指して指導を行っているそうです。また地域の視覚障害教育専門機関として、在籍していない方でも視覚障害のある乳幼児の養育方法や児童・生徒の就学や学習方法。視覚障害教育に関する情報提供や関係機関の紹介など教育相談も受け付けていただけます。
 教育の実情として通常の学校に準じた教育内容で、弱視教育・盲教育と状態に即して指導をしているそうです。また、交流教育として近隣の小中学校と交流したり、居住地交流も行っている等のお話しをお聞きすることができました。
 教室の見学では、幼児部では和やかに楽しそうにしていて、とても微笑ましく思いました。小学部では点字教科書を読み取りながら学習するクラス、先生の言葉を素早く点字タイプライターを使って記録することを学んでいるクラスの様子を実際に見させていただけました。学校全体も普通の学校と変わることなく、段差もあれば階段もあり、特にバリアフリーとはなってはいませんでしたが、点字ブロックや手すり、階段には滑り止めが付いているなど危険のないように施されていました。一つ不思議だったのが遮光カーテンや黒い机でした。この机は起こせるようになっていました。その訳は下を向いての学習は眼圧の関係で、障害によって使い分けるなど、説明をうかがって納得し、うなずきの連続でした。
 施設見学では、私は図書室を見学させていただきました。特に目にとまったのが弱視用の拡大まんが本や拡大教科書・拡大国語辞書でした。また、世界地図の触図や漢字を形として覚えるための吹きつけで作られた漢字事典など、初めて見る物ばかりで感動しました。
 大変勉強になったのは、盲学校イコール盲教育(点字)ではなく、通学しているのは視覚障害者だけでなく、重複障害児童・生徒もいること、そして、それぞれの障害に適した環境・指導をしてみえることを知りました。
 今後の課題として、私自身まだまだ点訳者として未熟ですが、触図などもできるよう勉強して障害者のニーズにこたえられる点訳を続けていきたいです
     
盲学校見学会に参加して 名東ハーネス 大司佐美
 1125日、愛知県立名古屋盲学校を訪れました。名東ハーネスからは11名の参加でした。説明会が行われた教室は早くから満杯となり、参加者個々の熱い思いが感じられました。
 教頭先生が、レジュメに添って盲学校の概要、教材・教具、教育方針等の説明をなさったあと、幾つかのグループに分かれ、点字教科書の閲覧・図書室見学・授業参観・臨床実習室見学と、校舎内を移動して回りました。見学を終えてからは質疑・応答に移り、和やかな交流の場を持つことができました。 視覚障害者の方々との懇談の場は、私たちのグループでも幾度か設けられましたが、盲学校見学は始めてでした。今回の見学を通して、それぞれ個々人が点訳ボランティアの指標を見つけたのではないでしょうか。貴重な体験ができたと思います
 

☆参加者の感想を以下に記します。

・障害度が違う個々に指導していらっしゃる先生方のご苦労を感じた。音楽の授業を参観したかった。学校の設備をもっと充実できるよう県や国の予算をまわすべきだと思った。
・専門の先生がいて、教材や教具も工夫されているのを見ると、やはり(視覚障害児にとって)勉強しやすい環境だと思った。ただ生徒数が少ないので、人間関係を形成したり、地域の中で育ったりという点では困難もあると思った。地域の学校と盲学校を自由に選択して両方通えたらいいと思う。
・建物に段差が多く、教室の移動など大変だと思った。図書室に点字の本が少なくびっくりした。
・構内を自由に動くため、手すりや図書室など、もっと施設の充実が望ましい。義務教育でありながら、子供たちにそのような機会が与えられていないのは残念。
・少人数で個人に合わせた教育となっている点ではいいと思うが、友達同士のつながりができるか疑問に思った。学校の老朽化が目立ったので、もう少し便利な校舎に改築できたら…と思うが、予算的に無理だろうか。
・目の状態によってすごく個人差が大きいことを初めて知った。学校の施設設備の古さに驚いた。義務教育なので必要な部分にしっかりお金を使って欲しいと思った。
・廊下が寒く、階段には手すりが必要だと思った。
・寒い日だったのでコンクリート剥き出しの校舎が冷たく感じられた。壁に布クロスを張ったり、床をフローリング加工したりして、少しでも快適な空間にならないものかと思った。地域の学校との交流が年に数回では少なすぎると思う。音楽会は合同で発表するだけでなく、「合同練習」を盲学校の広い教室を利用して行なったらどうだろうか。校内で収穫した野菜を使って地域のお年寄りと一緒に給食会を開くのもいいと思う。少人数ゆえマンツーマンの指導になりがちだとは思うが、子供たちが総じておとなしいと思った(調理実習中の子供たちは楽しそうだったが)。
・<教科書点訳> 図の表し方や、六点がつぶれないように工夫されている点が参考になった。
・<授業参観> 机が使いやすく工夫されていると思った。教材・教具は分かりやすく工夫されているが数は足りているのだろうか?と気になった。個別授業のようで学習は行き届くと思うが、友人が限られるだろうと思った。
    <今後> 地域の学校に通っている視覚障害の子や普通学級の子供との交流の機会を増やせたらと感じた。また、盲学校が、地域の学校に通っている子のサポートを、もっと増やすことはできないだろうか?とも思った。

 ご多忙にも関わらず、諸先生方が丁寧に説明・解説して下さり、日頃の熱心なご指導が垣間見られました。また、普段は顔を合わせることがない他のグループの方たちと接することができ、大きな刺激になりました。このような学びの場を与えて頂き、充実した一日を過ごすことができたことを感謝致します。

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