N B N 通 信 21号

名古屋点訳ネットワーク

http://www.n-braille.net/

           201111月発行

 

――   目次  ――

 

ご挨拶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はづき会・NBN代表 木全三保子

 

新データベースによる登録・検索システムについて(雑感)・・・・・・・・・・NBN 山口益実

 

NBNウェブページ 点訳データ登録システムの活用方法に関する勉強会

点訳データ登録システムの勉強会に参加して・・・・・・・・・・・・・・・ 桑名点訳友の会 池村豊子

 

14回総会&交流会

14  総会 報告

14NBN総会に参加して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 点訳サークルてんてん 浅田浩子

 

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ご挨拶

                                               代表 木全三保子(はづき会) 

 

 総会を終えて既にもう3カ月が過ぎてしまいました。

 総会のあとでの交流を通し、いろいろな活動の様子など聞きまして、私には有意義なひとときだったと喜ばせて頂きました。作陶では失敗作ながらもほんとに楽しかったことを思い出します。

 NBNのホームページ上の点訳図書の検索なども動き出しておりますが、皆様にうまく活用されているかな、と気にかけておりました。そんなとき、あるボランティアさんが、「NBNへ登録したデータをダウンロードされたというメールが来ました。知らせてもらえるんですね。うれしい!」

 それを聞いて私もとても嬉しいと思いました。

 

 秋も本番になっています。様々な出来事をクリアしながらも前進をする日本の中で、私も皆様と一緒に遅々とであっても歩みを進めたいと思っています。

 今後も皆様のご指南、ご協力をお願いするものです(2011年10月)

 

 

 

 

新データベースによる登録・検索システムについて(雑感)

NBN 山口益実

 

 名古屋点訳ネットワーク(NBN)の新たな点字情報データベースによる登録・検索システム(以下、「新システム」と言います)は、今年6月から本格運用を始めて約5か月が過ぎました。ここで新システムについて、開発の発端のことを振り返りながら、感じていることを書き綴ってみたいと思います。

 

<新システム開発の発端>

 NBNには従来から点訳図書の登録・検索システム(以下、「旧システム」と言います)がありましたが、このシステムは点訳者・点訳サークルがNBNのデータベースに登録した点訳図書情報を利用者のみなさんが検索し、検索した図書の点訳データが欲しい人は中継ぎ役のNBNの担当者を通して点訳者・点訳サークルからデータを入手するという方法を取っていました。ただし、一部の点訳データはNBNが点訳者・点訳サークルから提供を受けて保管しておりましたので、そうしたデータはNBNの担当者から依頼者に直接送っておりました。

 しかし、このような仕組みは、点訳者・点訳サークルにとっても、利用者にとっても、NBNにとっても効率のよいものではありませんでした。

 そこで、新たな点字情報データベースによる新しい登録・検索システムを作って、点訳者・点訳サークルのみなさんは自らのパソコンから点訳データを直接登録することができ、また、利用者のみなさんは自らのパソコンを使って書名や著者名などで検索して、欲しい点訳データを即座に自分のパソコンにダウンロードできる。そういうシステムを作ろうということになりました。

 この話がNBN内部で持ち上がったとき、私は、会社勤めをしていたときの経験から考えるとプログラム作成の仕事は専門業者に高額の費用を払って委託せざるを得ないのではないかと思いました。しかし、NBNにはそんな高額な費用を捻出することはとてもできませんでした。

 

 

 

 

<中島正二さんがいたからできた>

 そこで、なんとか自力で作ることができないかということになり、NBNの中島正二さんが「やってみましょう」と新たなシステムの開発を引き受けてくれたのです。

 そして、中島さんは生業が忙しい中でプログラムの作成に取り組み、その作成の過程で私たちはプログラムが期待どおりに機能してくれるかどうかのテストを各方面から繰り返し行いました。テストの結果、上手くいかない箇所があったときには中島さんは試行錯誤を繰り返しながらの作業であったと思います。

新システムの原型ができあがった今年4月下旬に開催した説明会では、インターネットに接続した何台かのパソコンを使って、参加した皆さんに、それぞれが持参した点訳データをデータベースに登録したり、登録したデータを検索するなどの実地体験をしていただいてご意見・ご要望をお聞きする一方、同時期に実施していた新システムの試験運用によって利用される方々からのご意見もいただきました。そうした貴重なご意見を参考にさせていただきながら、「自分たちの力で作りました」と誇れるシステムができあがりました。

 中島さんは、「プログラムを作っても、それをいろんな角度からテストをして欠陥を指摘してくれる人たちがいなければプログラムは出来上がらない」と言いますが、「やってみましょう」と中島さんが手を挙げてくれていなければ、この新システムはなかったものと私は思っています。

 中島正二さんと言えば、もう15年以上前になりますが、パソコンを使った点字入力システムが普及しはじめた頃、愛知県内のあちらこちらの点訳サークルから求められて、パソコンや点字プリンタの使い方などを説明して回っていたと、当時のことを良く知る方から伺っております。現在、点訳サークルで活躍していらっしゃる方々の中には、当時、直接にあるいは間接的に教えてもらったという人が沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

<「初心者」と思っている人に易しいシステム>

新システムは、「私はパソコンの初心者」と思っている人にとって、データの登録や検索が易しくできるように作られています。Eメールができれば何方でも容易に実施することができますので、どうぞ使ってみてください。

そして、最後にも書きましたが、特に「私は初心者」と思っている方々のご意見を大いに歓迎します。使ってみて「もっとこうして欲しい」というご意見・ご要望をどんどんお寄せください。どんな些細なことでも結構です。

 

 

<「ダウンロードお知らせメール」が届くと嬉しい>

 新システムの特徴の一つに、「ダウンロードお知らせメール」があります。

 このメールは、登録した点訳データがどこかの誰かにダウンロードされると、即座にNBNからデータを登録した人のEメールアドレス宛てに届きます。また、そのデータがこれまでにダウンロードされた回数も表示されています。

そして、このお知らせメールが届いた人からは、「自分たちが苦心した点訳物を、誰かが読んでくれているということが目に見えて判るので張り合いがあって嬉しい」というお話しを聞いております。

一例ですが、旧システムのときに点訳者・点訳サークルから提供していただいた「書籍データ」はすべて7月末までにデータベースへの登録を完了しましたが、ある点訳サークルの書籍データはこれまでに10件を超すダウンロードがありました。データを登録した私のパソコンにお知らせメールが届きますので、都度、そのサークルの方に転送していますが、毎回、サークル所属のみなさんが「嬉しい」「張り合いがある」と喜んでいらっしゃるという返信をいただいております。

 

 

<新システムを上手く利用してください>

 先日、あるサークルの代表の方から「新システムに登録している他にもまだ点訳データがあるけれど全部を登録するのがいいだろうか」という主旨のお話しがありました。そのサークルは、自サークルのホームページに点訳データをアップロードしています。

私は即座に「全部のデータを登録されたら如何ですか」とお答えしました。そして、「サークルのみなさんが苦心して仕上げた点訳物を1ヶ所(自サークルのホームページ)だけに載せておくのでは勿体ない、NBNにも登録して世の中の人に見て貰える場所を増やしてはどうでしょうか。また、NBNに登録したデータを見た人がそちらのサークルのホームページを訪問してくれることも考えられますよ。」と申し上げました。

新システムの登録フォームの中に「点訳者のURL」を入力できる欄を設けたのは、データ検索をした人がその点訳サークルのホームページを訪れやすくする意味もありました。

 点訳サークルのみなさんには、自サークルのためにこの新システムを上手く利用していただけるといいなと思っています。

 

 

<旧システムのときに提供していただいたデータの新システムへの登録>

 これまでにも触れましたが、旧システムに点訳者・点訳サークルが点訳図書情報を登録したときに、その全部ではありませんが「書籍」と「書籍以外」とを合わせて約3200件の点訳データをNBNに提供していただいております。

 それらのデータを新システムに登録する作業は、自サークルで登録し直すという1サークルを除いてNBNが責任を持って行うことを、本格運用を始める前にデータを提供していただいたサークルの代表の方に連絡いたしましたが、現在の状況は、野球に関する新聞記事抜粋1000件弱(いずれも2001年から20104月までの間のもの)を残して、他は全て登録を完了しております。そして、残っている1000件弱のデータについてはできるだけ年内に登録を終えてしまいたいと考えておりますので、この場をお借りして報告いたします。

 

 

<データ登録に際してのお願い>

 点訳データを登録する最初の画面に書いてありますが、あらためてお願いするものです。

 先ず、登録していただくデータは「第3校正」まで実施してくださるようにお願いいたします。

 次に、季刊誌・月刊誌・週刊誌などのいわゆる「雑誌」(増刊号を含みます)を出典とするデータは、その内容・データ巻数に関係なくすべて『新聞・雑誌などを出典とするデータ』として登録することになっています。

もし、誤って『書籍データ』に登録しますと、検索する側の人が『新聞・雑誌などを出典とするデータ』の方でいくら検索しても、『条件にあったデータを見つけることができませんでした』というメッセージが出てしまいます。折角、サークルのみなさんが苦心して点訳したデータが、誰かに読んで貰える機会を逃してしまうことになるかも知れませんのでご留意ください。

 

 

<おわりに>

 NBNでは、新システムが登録する側にも検索する側にも一層使い易いものになるように引き続き改善を進めてまいります。

 データを登録される方も、検索される方も、どんな些細なことでも構いませんのでこのシステムを使う上で不便に感じることや、ご意見・ご要望をお寄せください。NBNホームページの点字情報データベースの最初の画面にご意見をいただく場所を用意しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(追記)

旧システムは、現在もNBNのホームページに新システムと併存させておりますが、近い将来、閉鎖することにしております。

以上

 

 

 

 

NBNウェブページ   点訳データ登録システムの活用方法に関する勉強会

 

日時 平成23 423日(土) 

場所:名古屋市総合福祉会館 6 多目的活動室

参加者数 25人

 

何年も前からNBNのウェブページの充実を考えていて、NBN発起人であり、HP担当の中島正二さんに、点訳データを登録

 そしてダウンロードできるデータベースの開発をしていただいておりましたが、この度システムの原型が完成し、使用方法・

不具合抽出等の為の勉強会の運びとなりました。

 WiMAX(ワイマックス、無線ラン接続)で、持参したパソコンでもネット接続できるので二人に一台のパソコンで直接登録や

検索の体験ができる体勢で実施しました。

 

 

 

 まずは、 名古屋市社会福祉協議会の染野・夏目のお二方から、個々のグループでは頑張れないことをネットワークを作ったことで念願のシステムができてこれからも支援していきたいとのうれしい言葉を頂いた後、中島さんの「プログラムを作って遊んでいたので苦労ではなく、苦労は(NBN)山口さんに丸投げしていました」との言葉に、長い間お二人にそれこそ丸投げしてお願いしていたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 

 

 

そして、山口さんによる丁寧な膨大な資料を中心に、セキュリティー面での配慮やうれしい機能を紹介していただきながら点字図書データをアップロードしたり検索したりダウンロードしたりとたくさんの体験をしました。

 

 WiMAXを利用したことでの実体験に社協さんが強い関心を示されていました。

 

当日参加できなかったグループの方はNBNのホームページ http://www.n-braille.net/ の「点字情報データベース(へ)」から、サークルの点訳物のアップロードに是非挑戦してください。そして、多くの視覚障害者の皆さんにもダウンロードに挑戦していただき利用していただけることを願っています。

 

 

 

皆さまからの要望

 

*点訳着手情報のページがほしい 書籍のみ作成する予定。(書籍:対応済みです)

*小説の内容紹介を載せたい 載せるための記入欄を追加する。(対応済みです)

*リクエストをした書籍がアップされたらメールで連絡してほしい 明確な回答はできませんでした。

*4つの拡張子のほかにEBK(エーデルブック)も載せられるようにしてほしい 対応できるようにする。

(対応済みです。これで Tエディタ(bse)、WIN-BES・点字編集システム(bes)、漢点字(bmt)、エーデル(edl)と合わせて5種類に対応しています)

 

 

 

 

 

 

 

その他の意見

 

*誰でもアップできるので点訳の質についての心配の声があがりました。

  →これに対しては、広く誰もがデータをアップできるというメリットのほうを重視したいという意見もでました。

→点訳者の明記を必須項目にする(サークル名でもニックネームでも可)ことで、点訳者が自分たちの点訳に対しての責任を持つという姿勢でいくことになりました。

 

 

 

点訳データ登録システムの勉強会に参加して

 

桑名点訳友の会 池村豊子

 

4月23日に行われました「NBNウェブページ点訳データ登録システムの活用方法に関する勉強会」に参加させていただきました。NBNでは早くからホームページ上で点訳図書の登録ができるようになっていましたが、この程、登録・ダウンロード機能もついた新しいシステムを開発されたのです。

でも、“ウェブページ”という言葉の意味さえわからない私が参加して、果たして理解できるだろうか、と不安でしたが、当日は詳しい手引き書がちゃんと用意され、懇切丁寧に説明いただきましたので、とてもわかりやすかったです。

東海地方からたくさんの点訳者が参加し、インターネットに接続されたパソコンで実際に登録をしたり、ダウンロードをしました。簡単な操作でUSBなどに保存したデータがダウンロード可能な形になるのは驚きでした。これですと誰でも気軽にネット上に点訳データを載せることができますし、利用者も点訳されたものをすぐに読むことができますね。検索もでき、とても優れたシステムだと思いました。開発された方々はいろいろご苦労もおありだったと思いますが、こういう場を作って運営下さることに感謝したいと思います。

たくさんの方々が利用されるといいですね。

 

 

14回総会&交流会

 

717日(日)地下鉄藤が丘駅からリニモで15分で陶磁資料館南駅に到着、軽い勾配の山道を600mほど歩くと広々とした緑がいっぱいの広いお庭に平屋・2階建の落ち着いた建物が点在している目的地に着きました。

7月の暑い中、19名もの皆さんにご参加いただきました。

本館・南館を見学した後、食堂にて総会、昼食と続き、午後からは陶芸館でそれぞれが作りたい焼き物に挑戦。二つの机を挟んで、一方はいつまでも陶器作りを楽しんでいる人たち、一方は点訳活動の交流に話が弾んでいる人たちで どちらも賑やかな体験会となりました。

 

 可愛いわんちゃんの製作に挑戦していた方のことも楽しい発見でした。

点訳の話を聞きつけてか 体験会の講師の方が「点訳ってどういうものですか」と質問してくださいました。

 

後日、出来上がってくる作品を楽しみに帰路につきました。

 

 

 

 

第14回総会報告

 

1.名古屋市社会福祉協議会 挨拶 ・・・・・・ ボランティアセンター 夏目日佐子様 

 

2.2010年度活動報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 代表 木全三保子

 

6  7日  検索ページをもとにジャンル分けなどの検討に入る

620日  鶴舞中央図書館点字文庫 大塚 強氏 講演会 25名参加

8月     NBN通信20号発行

2011

423日  NBNウェブページ点訳データ登録システムの活用方法に関する勉強会 25名参加

61日   NBNウェブページ点訳データ登録システム本稼働

717日  第14NBN総会  愛知県陶磁資料館レストラン「とうじ」にて 19名参加

 

 

 

3.2010年度会計報告・監査報告 ・・・・・・・・・・・会計 山口・会計監査 住田

承認をいただきました。

4.役員・担当紹介

   任期は2年ですので前年度からの引き続きとなります。 

代表    木全 三保子(はづき会)

副代表    細川 陽一

           中西 和子(大樹会)

会計    山口 益実

会計監査    住田 孝雄(はづき会)

広報    大倉 裕子(みなづき会)

           浅田 浩子(知多市点訳サークル てんてん)

  (点字担当)   池村 豊子(桑名点訳友の会)

HP管理    中島 正二

           平瀬 (大樹会)

 

 

14回NBN総会に参加して ― 陶磁資料館にて

点訳サークルてんてん 浅田浩子

 今回の総会は、瀬戸市にある愛知県陶磁資料館で開催されました。

 私は、瀬戸市を訪れるのはもちろん、リニモに乗るのも初めてでしたので小旅行の気分で出かけました。

 藤が丘から、リニモに乗ります。目の前は緑がいっぱいの広々した田園地帯、そして後方に遠く見えるのは名駅のツインタワーという、最高のロケーションの中、静かにスムーズにリニモは進んで行きます。15分ほどで陶磁資料館南駅につき、そこから緑の生い茂る中、織部や志野、古瀬戸などの陶板を眺めながら遊歩道を歩いていくと、広大な敷地の中に目的地の陶磁資料館はありました。

 

 

 総会の前に、いろいろな陶器を見学しました。展示してある陶器は、ノベルティという実物そっくりの人形や、縄文時代の土器、室町時代の茶碗、大正時代の食器など、バラエティにあふれ、どれを見ても興味深く珍しいものばかりでした。

 

 総会と食事の後には、作陶体験ができました。作り方を教えてもらいながら、各自、手ろくろで回して思い思いの作品を作っていきます。お皿あり、状差しあり、小鉢あり、オリジナルな作品が出来ていきます。この後焼かれて、1ヶ月後には完成して、頂けるということで、楽しみです。

 

今回の陶磁資料館での体験はもちろん楽しかったのですが、やはり一番嬉しかったのは、いろいろな会の方とお話ができたことです。食事中や作陶体験の合間に、それぞれの会の活動や点訳の話、会の運営、校正のまわし方、そして勉強会や助成金の話など、ボランティアとして活動している者同士として理解し合える話題がたくさんあり、とても参考になりました。

 日頃、一人でパソコンに向かい、ともすれば、会の中だけで点訳の話をするという閉鎖的な環境に慣れてしまいがちですが、こうしていろいろな方の話を伺うことができる機会を持てるのはNBNに参加しているからこそです。他の会のみなさんに良い刺激を頂いて、また明日から点訳をがんばろう、という気持ちになりました。参加して下さったみなさん、そして今回お世話頂いた役員のみなさん、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

名古屋点訳ネットワーク事務局

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