濡羽色のマスク
杉原爽香【すぎはらさやか】、29歳の秋。
高齢者用ケア付きマンションで働く爽香【さやか】は、
親会社が計画する新プロジェクトの準備に参加して多忙な日々を送っていた。
爽香の恩師・河村布子【かわむらきぬこ】は、新しい職場を見付けたが、
夫・太郎【たろう】の「秘密」に悩んでいた。
そして、刑事の現場から離れている太郎は、ある夜偶然、殺人現場に出くわし、
勝手に捜査を開始する!
登場人物が読者とともに年齢【とし】を重ねる画期的シリーズ第15弾!
憑神
時は幕末、処は江戸。
貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、
夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。
ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、霊験あらたかにも神様があらわれた。
だが、この神様は、神は神でも、なんと貧乏神だった!
とことん運に見放されながらも懸命に生きる男の姿は、抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。
傑作時代長編。
しゃばけ
江戸有数の廻船問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。
ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。
以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。
若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。
その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う…。
愉快で不思議な大江戸人情推理帖。
日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。
ふぉん・しいほるとの娘(上)
江戸時代の末期、長崎出島のオランダ商館に名医シーボルトが着任、
やがて遊女其扇との間に女の子が生まれた。
名は稲。シーボルトは国禁を犯して国外追放となり、幼い稲と其扇だけが残された。
激動の時代を前に、稲の波瀾の生涯が始まる。
…日本最初の女医となった女の一生を雄渾の筆に描く長篇小説。
利休啾々
利休は賜死の理由を周囲に語らず、秀吉もまた決して口外しなかった―。
利休の死にまつわる秘密を老仏師が語る表題作をはじめ、
密通した妻の騒動を収束させるべく苦慮する武士の姿が鮮烈な「狐蕪村」等、
無明を生きる人間を描いた秀作六篇を収録。
がばいばあちゃん かあちゃんにあいたい
佐賀のばあちゃんの家に預けられた昭広少年が、待ち遠しいのは夏休み。
広島に帰って大好きなかあちゃんに会えるからだ。 あのがばいばあちゃんの血をひく、すごいかあちゃんとは一体…!?
世界中の「かあちゃん」に捧げる笑いと涙の感動作!
がばいばあちゃん 笑顔で生きんしゃい
「生きていることが面白い。なりふりかまうより、工夫してみろ」
昭和30年代、食べるものにも事欠く超貧乏生活を楽しみながら、
笑顔で孫を育て、大反響を呼んだがばい(すごい)ばあちゃん、再び!
毎日が楽になる、ばあちゃんのがばい人生観。
がばいばあちゃん 幸せのトランク
「結婚は、ふたりでひとつのトランクを引いてくようなもの。
ひとりじゃ重くて運ばれん」
駆け落ち、貧乏漫才修行、東京進出、栄光と挫折―。
どんなときも、ばあちゃんに励まされながら、律子夫人と歩んできた昭広の、
爆笑と涙の感動の半世紀。
(絶好調シリーズ第三弾、書下し)
音読したい漢詩漢文傑作選
美しい日本籍の源流…心に沁みる中国の古典
詩経から毛沢東まで中国2500年の名詩・名文の珠玉を、
自然・人生・愛情など7つにジャンル分けし収録。
原文・訓読文・現代語訳のほか、「万里千言」の解説も付した。
私は、この本を美しく正しい日本語を使おうと考えている人に
ぜひ手にとっていただきたいと思う。
そして、政治家や経済人、教育者や第一線のビジネスマンなど
発信力の大きい人々に、ぜひ読んでいただきたい。
特に自分の声で音読していただきたい。
「読書百遍にして義自ら見る」という言葉もあるが、音読を繰り返すうちに、
漢詩や漢文の作者の気持ちが、何となくわかった気持ちになるから不思議である。
春の詩を読んでいると、草花の香りを感じ、
鳥のさえずりを実際に耳にしている錯覚に陥る。
中学や高校の漢文の授業に、自分がタイムスリップした感覚に襲われる。
(中略)ぜひ、黙読ではなく音読をしていただきたい。
(本書「緒言」より)
返事はいらない
短篇集。
「返事はいらない」「ドルシネアにようこそ」「言わずにおいて」
「聞こえていますか」「裏切らないで」「私はついてない」の6篇。
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