アラスカ物語 再プリント
明治元年、宮城県石巻町に生まれた安田恭輔は15歳で両親を失う。
外国航路の見習船員となり、やがてアラスカのポイントバローに留まった彼は
エスキモーの女性と結婚してアラスカ社会に融けこんでいく。
食糧不足や疫病の流行で滅亡に瀕したエキスモーの一族を救出して、アラスカのモーゼと仰がれ、
90歳で生涯を閉じるまで日本に帰ることのなかったフランク安田の波瀾の生涯を描く。
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海江田万里の音読したい漢詩・漢文傑作選 再プリント
美しい日本籍の源流 心に沁みる中国の古典
詩経から毛沢東まで中国2500年の名詩・名文の珠玉を、
自然・人生・愛情など7つにジャンル分けし収録。
原文・訓読文・現代語訳のほか、「万里千言」の解説も付した。
私は、この本を美しく正しい日本語を使おうと考えている人にぜひ手にとっていただきたいと思う。
そして、政治家や経済人、教育者や第一線のビジネスマンなど発信力の大きい人々に、
ぜひ読んでいただきたい。
特に自分の声で音読していただきたい。
「読書百遍にして義自ら見る」という言葉もあるが、音読を繰り返すうちに、
漢詩や漢文の作者の気持ちが、何となくわかった気持ちになるから不思議である。
春の詩を読んでいると、草花の香りを感じ、鳥のさえずりを実際に耳にしている錯覚に陥る。
中学や高校の漢文の授業に、自分がタイムスリップした感覚に襲われる。
(中略)ぜひ、黙読ではなく音読をしていただきたい。本書「緒言」より)
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藪医 ふらここ堂
江戸は神田三河町の小児医・天野三哲は、「面倒臭え」が口癖。
朝寝坊はする、患者は待たせる、面倒になると逃げ出す、付いた渾名が「藪のふらここ堂」だ。
ところがこの先生、見えないところで凄腕【すごうで】を発揮するらしい。
三哲に振り回されながらも診療を手伝う娘のおゆん、弟子たち、ふらここ堂の面々の日常と騒動を描く!
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決戦!関ヶ原
人を致して 伊東潤
笹を噛ませよ 吉川永青
有楽斎の城 天野純希
怪僧恵瓊 木下昌輝
丸に十文字 矢野隆
真紅の米 冲方丁
孤狼なり 葉室麟
慶長【けいちょう】五年九月十五日、
霧立ちこめる地に戦国時代の終焉を告げる運命を背負った男たちが集結した。
天下分け目の大戦「関ケ原の戦い」。
徳川家康率いる「東軍」圧勝の理由、石田三成率いる「西軍」敗北の契機、そして両軍の運命を握る男。
七人の作家が七人の武将の視点で描く競作長編「決戦!」シリーズ初陣。
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おらおらでひとりいぐも
158回 芥川賞受賞作
63歳の新人、新たな「老い」を生きるための感動作
本裏表紙
結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、
故郷を飛び出した桃子さん。
身ひとつで上野駅に降り立ってから50年―住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、
二児の誕生と成長、そして夫の死。
「この先一人でどやって暮らす。こまったあどうすんべえ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、
桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。
捨てた故郷、疎遠な息子と娘、そして亡き夫への愛。
震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いた、圧倒的自由と賑やかな孤独とは―
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糸車
本の裏表紙より
深川の長屋で一人暮らしのお絹。
三年前までは、松前藩家老の妻だったが、夫を殺され息子勇馬は行方不明。
小間物の行商をして、勇馬を探し続けている。商いを通じて、同心の持田、
茶酌娘などと親交を深めるうち、様々な事件に巻き込まれ、それぞれの悩みに共感し奔走するが…。
船宿の不良娘と質屋のどら息子の逃避行、茶酌娘の縁談、そしてお絹に芽生えた静かな愛。
下町の人情が胸に染みる時代小説。
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怪物商人
本裏表紙より
「死の商人」「戦争屋」と世間に罵られながらも、一代で財閥を築き上げた男がいた
―新潟から江戸に出て、乾物屋を営んでいた大倉喜八郎は、
幕末の不穏な空気をいち早く感じとり、鉄砲屋へと転身する。
コネもカネもない喜八郎は、どんな仕事も体当たりでこなしていくが…。
戦前、排日運動が高まる中にあっても、蒋介石、張作霖、段祺瑞ら
中国の要人からその死を悼まれた男の生涯を描いた、感動の長編小説。
帯より
すごい日本人がいた?
死の商人、戦争屋、利権漁り…世間の悪評に屈せず、己の道を貫いた男大倉喜八郎
一代でのし上がった傑物の生涯に光を当てる長編小説
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若返り同心 如月源十郎(闇の顔)
若返りの秘薬を盗んだ者への懸賞金をかけた貼り札が江戸市中に貼り出され、
将軍の耳にも入る。そんなこととは露知らず、
隠した秘薬で若さを愉しむ隠居老人・小六を突然に襲ったぎっくり腰。
罹った町医者から連続不審死の話を聞きつけ、不甲斐ない新米同心の
孫の手柄を作ってやろうと発奮する小六だったが…。
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若返り同心 如月源十郎(不思議な飴玉)
齢【よわい】六十五、元定廻り同心の小六は足腰も弱り、
剣術が苦手な見習い同心の孫・晋之介にさえ呆れられている。
小六は偶然手に入れた若返りの秘薬を使って、晋之介の捕物の手助けを思いつく。
青年に若返り晋之介の面前で悪党を退治した後、孫にとっさに告げた名前は「源十郎」。
痛快度満点の超娯楽時代小説ここに開幕。
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蜜蜂と遠雷
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。
3年毎に開催される芳ケ江国際ピアノコンクール。
「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあり近年、
覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。
かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら
13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。
音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンで妻子もおりコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。
完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院の
マサル・C・レヴィ・アナトール19歳。
彼らをはじめとした数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?
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山月庵茶会記
かって政争に敗れ黒島藩を去った元勘定奉行・柏木靭負が、千利休の流れを汲む茶人として国に帰ってきた。
孤狼の心を胸に秘めた彼は、山裾の小さな庵に隠遁し藩士たちを招く。
派閥抗争の最中に喪った妻の死の真実を知るために。
茶室は刀を使わぬ静かな闘争の場となった。
読者の心を虜にする直木賞作家の真骨頂。
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超高速!参勤交代 リターンズ
「5日で参勤」の難題をやりきり、命じた老中の顔を潰した湯長谷藩の面面はのんびり帰路につくはずだった。
そこへ老中が国許へ2日で戻り、さらに江戸城天守閣再建の沙汰を下す。
絶体絶命の窮地に陥った藩主らは智恵を絞る。
巨悪と対峙する痛快時代エンターテインメント。(『超高速!参勤交代 老中の逆襲』改題)
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超高速!参勤交代
東北の湯長谷藩は、ある日お上から謂われのない難癖をつけられ、
急遽5日以内に江戸へ参勤せよと命じられる。
叛けばお取り潰し必定。―時間がない。財政難の小藩には費用も、行列を組む人手もない。
心優しき藩主内藤政醇は知恵者の家老と共に策をこらす。 妙案と頓智で難所を切り抜けていく殿と家臣の爽快劇!
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