天下泰平260年の間に積もり積もった藩の借金25万両。あまりの巨額に嫡男はショック死――丹生山松平家12代当主は、庶子の四男・小四郎に家督を譲るとひそかに「到産」の準備を進め、逃げ切りを狙う。そうとは知らぬ小四郎、クソがつくほどの真面目さ誠実さを武器に、最大の難関・参勤行列の費用をひねり出そうとするが……(カバーより)
美しい故郷とお家を守りたい――天下一の塩引鮭が名産の御領国・越後丹生山へ初入りした若殿・小四郎。そのなりふり構わぬ姿に、国家老が、商人と民が、そして金が動き始める。人の世を眺めていた七福神まで巻き込んで、奇跡の「経営再建」は成るか?笑いと涙がてんこ盛りの超豪華エンタメ時代小説!巻末対談・磯田道史(カバーより)
東京郊外の古びた洋館。そこには先端医療では治せない患者と家族の「人生」を治療する名医がいる。目が悪くなったのに頑として車の運転をやめようとしない父。怪しげなサプリにはまり大金を使ってしまう母。怪しげな民間療法に心酔した妻…。彼らが起こしたトラブルに思い悩む家族たちを迎えるのはスイーツと紅茶の香る不思議な診察室。イケメンだがちょっと変わり者の医帥の青島と話をするうちに、誰にも言えなかった家族の秘密が明らかになっていく…。医療ミステリー第一人者が贈るハートウォーミング小説。解説は地域医療に携わる医師・幸村百理男さん。
日本初の地下鉄を東京に走らせる。〈非常識〉な大事業を決意した早川徳次。経験も資金もゼロだったが、大隈重信、渋沢栄一を口説き、ついに上野―浅草間を開業する。自動改札機やATS を導入、日本橋三越本店直結の駅も作った。だが、ライバルが現れた。のちの「東急」の五島慶太である。地下鉄の路線をめぐる非情な戦いが始まった…。夢を追いかけた非凡な実業家の波乱の生涯を描く傑作。
衝撃のラストにあなたの見る世界は『透きとおる』。
大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。宮内は妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの一人と子供までつくっていた。それが僕だ。「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。何か知らないか」宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探し。編集者の霧子さんの助言をもとに調べるのだが―。予測不能の結末が待つ、衝撃の物語
本の内容
悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?
発行年月日:第初版 平成26年11月25日発行
本の内容
幕末の長崎で洋食屋を始め、明治の大阪でレストランとホテルを開いた料理人・草野丈吉と妻ゆき。日本の外交を支えた〈自由亭〉夫婦の奮闘を描く傑作長編。
「西洋の人間を知るには、同じ物を食して躰で知ること」と五代才助(友厚)に背中を押され、長崎で小さな洋食屋を始めた草野丈吉と妻ゆき。やがて亀山社中に陸奥宗光、後藤象二郎、岩崎弥太郎といった綺羅星のごとき男たちが贔屓客となり―。
幕末から維新、明治。激動の時代の外交を西洋料理で支えた自由亭。その一皿は深い「志」の味がある。(本の帯より)
本の内容
自宅前で航空券を拾ったら、なぜかモデル事務所に拾われた。フラれること13回、借金は膨らみ、オーディションには落ちてばかり。それでも男は人との縁を繋ぎ、やがて本当の恋をし、大役を射止める。そんな折、アメリカから一本の電話がかかってきて…。俳優・松尾諭の、笑いと涙のシンデレラ(!?)ストーリー。解説・高橋一生
本の内容
ほんものの教育をしたいという願いから,社会科を手がかりにして,生活綴方の指導をおこなった山形県山元村中学校の教師,無着成恭が,その成果をまとめた詩・作文集(1951年刊)。いまなお読む者の心を強く打たずにはおかない克明でひたむきな生活記録,戦後の教育に大きな影響を与えた。(解説 国分一太郎・鶴見和子)
(岩波文庫本のカバーより)